ちさのの日常的思考

ふだん思ったこと何でも書いてるブログ。真面目なことから馬鹿らしいことまでやってます。「今回の記事も相変わらずだな!」くらいの気持ちで読んでくれると嬉しいです。

東尋坊に行ってきました(ざっくり旅行記)

chisanolife.hatenablog.com
※本記事はこれ(↑)の続編というか結果編になります。


さて、みなさまこんにちは。筆が遅いことで話題の変人、ちさのでございます。私、ちさのは10月7日に予告(?)どおり東尋坊に行ってきました。

東尋坊に行ってきました!!!!!!!

前回の記事(冒頭リンクのアレ)では、行きたい動機の話ばかりで、誰とどんな感じの旅行なのか全く話していなかったので、今回の記事はだいたい旅行記みたいな感じでいこうと思っています。


旅の概要

まず、この東尋坊行きというか福井旅行には2人の同行者がいてくれていました。ちさのの一人旅ではありませんでした。土地勘もない私を東尋坊まで導いてくれ、宿まで予約しておいてくれた頼れる福井在住のTwitterのフォロワー様方です。

一人目:Y氏
ちさのとは同じ趣味を持つフォロワー様。ちさのを雑にあしらうという適切な取り扱いをしてくれる。思ったよりウサギが好きだった。

二人目:K氏
Y氏と長い付き合いになるというフォロワー様。ちさのとは特に共通の趣味もないはずがY氏の「なんとなく気が合いそうだった」という見解のもと知り合い、本当に気が合ってしまった奇跡の人。実は仕事も同業者だったりした。


高速バスで福井駅まで向かっていたちさのは、(この高速バス内で行ってきますの記事を書いています)、このお二方と福井駅で対面を果たしました。到着するバスの窓から見えた、このバスを指して「あれじゃない?」って感じで会話する女子2人を見て、「あ、あれがY氏とK氏だな」と思ってました。無事に対面を果たしたところで、Y氏の運転により東尋坊まで連れて行ってもらえました。

東尋坊に辿り着いてからのちさののテンションの上がり方は異様だったようです。駐車場に降り立った瞬間に東尋坊タワーを撮りはじめ、後ろからY氏とK氏が引いている気配がしました。


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photo:そのとき撮った東尋坊タワー


そのままのテンションのまま道を突き進み、早くも出会ってしまったあるものにちさののスマホカメラは活動を再開します。


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Photo:おろしもちやさん


これは、あの動画(前記事参照)に出てたお店だああああああ!!!!!!

角度を変えてお店の外観を撮ったところで、背後でやっぱり引いている気がするY氏とK氏を放置しつつ勝手に一人店内に突入を始めます。店内の雰囲気の、いい意味で田舎っぽいというか、親戚のばあさんの家くらいの田舎らしい暖かさというか距離感の近さを感じながらやっぱり内装もスマホカメラに収めたところで、ちさのはどうでもいい、しかし本人的には全然どうでもよくない使命感に駆られます。

餅を、食わねばならない!!!!!(※ただし食後である)

だって「自殺しようとしていた人に餅を食べてほしいと思って始めた」ってどっかで聞いた気がしたから、旅の目的を考えたら食べるしかないと思って……。


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photo:おろしもち


そんなこんなで注文しましたおろしもちです。メニューの中で唯一聞いたこともない単語だった「おろしもち」ですが、福井ではメジャーだそうですね。お店のおばちゃんが「つきたてだからおいしいよー」といってくれていたように、よくのびるもちもち感でめちゃくちゃおいしかったです。つきたてならではの食感というかおいしさは、世知辛い世の中で一人ぐらしなんかしてたりする人にはグッときたりもするのかなぁ……、とか思いつつ餅をもちもちしていました(食べていました)。

そんなこんなしていたら、うしろから「風船ほしい?」と聞いてくるおじいさんが現れました。そしてこのおじいさんこそ、何を隠そうあの茂さんでした。それから茂さんは、自分たちの活動を少しでも知ってほしいと、自殺の名所と呼ばれる東尋坊で茂さんたちがしていることを教えてくれました。


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photo:茂さん


ここで聞いたお話は、内容にすればいろんなところで語られている茂さんの活動のことと変わりなかったと思う。けれど、「本当に変わりなかった」ということが私にとってすごく価値あることに感じられた。文章で美しく彩られている訳ではなくて、本当にそこにあった、茂さんから語られた熱意や想いは、私の理想的妄想に近い期待さえも全然裏切らなかった。いろいろ思うことはありすぎるので、ここで聞いたお話に関しては後に回して、あとからちゃんと触れます。

このあと、ようやく崖の方に向かうことになるわけですが、崖をさんざん楽しみつつも「あー、茂さんと写真撮っとけばよかったなー」という後悔がわいてきたので崖を一通り見た後でまた茂さんのところに寄って写真だけ撮ってもらうことにしました。おろしもち屋さんに戻ると、まだ16時とかそんなもんのはずが、なぜか赤い顔で陽気な仕上がりに出来上がってる茂さんがいました。


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photo:茂さんとY氏とK氏と私


思いのほか長くなってきてしまったので、東尋坊の崖ではしゃぐ私については写真から察してください。


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photo:東尋坊写真コラージュ


ちなみに右上は崖で自撮りをしようとしているちさのをY氏が撮ってくれたものです。観光客感が最も出ている最高の写真だと勝手に思っています。



いろいろ思ったこと(断片的まとめ)

東尋坊に行ってきて、茂さんとお話をして、思ったことはいろいろありますが、それぞれを掘り下げたらすごく長くなるし、まとまるまで時間もかかりそうなので断片的に挙げておきます。また今度、まとめたり掘り下げたりした記事を書きたいなぁと思っています。


“自殺対策”ではなくて“人命救助”
自殺を望むひとは本当は助けてと言っている。「助けてと言う人を助ける。これはむしろ人命救助だ」。

念のために持ってきているロープや薬やナイフ
崖から飛び降りて死ねなかったときのために、持ってきている“予備の手段”。自殺しようとしていた人から預かったというそれらは袋いっぱいにあった。それが自殺をしようとする人の多さのあまりにむごい証拠だった。

止めようとすると逃げる自殺志願者
「止めないでくれ、ほっといてくれ」と逃げるのだそう。そしてそれを追いかけて「俺がなんとかしてやる」と、そこまで言ってようやく話をしてくれる。

説得に用いる「日本国憲法
茂さんは自殺しようとする人を説得するとき日本国憲法の条文を挙げるという。11条:基本的人権、13条:個人の尊重・幸福追求権、15条:生存権。「そういう権利があるのに本当に死にたいの?死ぬの怖くないの?」。そう言えば、返ってくる言葉は「死にたくない」だという。
(自殺を望んでしまう人は「世の中に自分なんていてはいけない」と社会のルールに自分が生きていることが許されていないような気がしてくるものだと思う。そんな人たちには憲法というルールで自分が生きたいように生きていていいという権利が保証されていることがすごく心に響くのだろう。)

家族や周囲の人への介入
自殺を望んでいた人と話をして、生きづらい要因はほとんど周囲の理解のなさだという。しかしそれを本人は周囲に訴えることができずにいる、言っても伝わらなかったのかもしれない。となれは茂さんは自らそれを告げに行く。「この人はそれが本当につらくて自殺しようとまでしていたんだぞ」と。

“人命救助”だけれど“人命救助”と叫べない理由
自殺を止めて、周囲に介入して環境を整える。これを助けを求める人を助けるという人命救助だと思っている。しかしこれを「人命救助だ!」と声を大にして言えない。もしそうしてしまったら、自殺してしまった人の家族はどうなる?大切な家族を亡くしたうえに、その大切な家族を自ら殺してしまった罪の意識に苛まれることになる。それはあまりにつらい。

茂さんの地域との確執
東尋坊は観光地であるが、崖というだけではありふれた場所だ。そんな場所を他とは違う印象的な場所に引き立てている“自殺の名所”というアクセントを失いたくない、というのが地域の考えにあるよう。そのアクセントを喪失させる方向に活動する茂さんとはどうにもなかなかの確執があるようだ。東尋坊周辺のお店のマップの茂さんの店舗のところには記載がなく空欄にされている程度には深い確執のようだ。茂さんも活動していくうえでこれが一番つらい問題だという。

「でも公がやるにはキリがないっすよね」by K氏
茂さんのところを離れたあとの道中、K氏がボソリとちさのに言った言葉。“公”、つまり市町村や県や国などの行政がやっていくにはキリがない。この「キリがない」のニュアンスは諦めや放棄ではなく、“顧客の多さ”にあたると思う(言い換えは帰宅後にめちゃくちゃ考えた)。公の立場からすれば顧客といえるのはすべての住民だし、住民それぞれの事情に介入していくのはまさに「キリがない」。同時に公の立場では公平さも求められるし、こういった活動をするには、公の立場からではしがらみが多すぎるだろう。現状の世の中では、茂さんのような活動は民間からのほうがやりやすいだろう。(日本の自殺率の高さは社会問題の域であるから、行政からも何かできるような世の中に変化はしていくだろうと勝手に見込んでいる。どれだけ時間がかかるかわからないが。)


以上が思ったこと断片的まとめになります。断片的すぎて言いたい事がちさの本人にしかわからないかもしれませんが、こんな感じでした!

次の投稿は、考えがまとまったり、何かまた思うことがあったりしたらになると思いますがまたどうぞよろしくおねがいします!最後までありがとうございました!