ちさのの日常的思考

ふだん思ったこと何でも書いてるブログ。真面目なことから馬鹿らしいことまでやってます。「今回の記事も相変わらずだな!」くらいの気持ちで読んでくれると嬉しいです。

星は宇宙、ハートは臓器

つまり、星はハートよりも壮大である。


※この記事はTwitterの「☆お気に入り」が「♡いいね」になったことに関する話です。
※口調が堅いのは「どうでもいいことを真面目に語る」という種類のジョークを目指したかっただけです。ただのブログです。途中でいつものテンションに戻ります。
※口調の割には論理が雑なのはそういうことです。



2015年11月4日午前0時頃、Twitterにあった「お気に入り」機能の名称が「いいね」に変更され、これに伴いアイコンのモチーフも星(☆)からハート(♡)に変更された。
本変更は名称のみの変更であり、機能自体の変更はない。
しかしながら、この変更にユーザーからはさまざまな声が挙がっている。
名称に呼び名としての価値しかないのなら、変更する必要もなく、ユーザーからの反応もないはずである。
本記事では、機能自体には変更を伴わないにもかかわらず、なぜこのような変更がなされたのか、なぜこれほどまでにユーザーが反応をしたのかを検討する。


1. Twitterのユーザーの分類
本件を検討する前に、まずTwitterのユーザー、すなわちアカウントの分類を行う。
Twitterユーザーは大きく以下の4つにわけられると考える。

① 主に告知などを行う公式アカウント
② 自動でツイートを配信し続けるbot
Twitterをコミュニケーションツールとして用いるリア充
Twitterを居住地とするTwitter住民(コミュ障)

以上4種類に分類できる。
それらの中間的なユーザーも存在するが、それらはごく少数で、概ねはこの4種類のいずれかに属すと考える。



2. 「☆お気に入り」と「♡いいね」のルーツと印象の違い
本項では、これら2つのルーツからそれぞれの与える印象の違いを探る。

「☆お気に入り」、すなわち星印をもってお気に入りと呼ぶことのルーツはどこにあるのだろうか?
本記事の筆者の知れる限りでは、それはブラウザソフト「Internet Explorer」の15年以上前のバージョンのブックマーク機能にある。
当時はブックマーク機能の名称が「お気に入り」でありそのモチーフが黄色の星であった。

すなわち、「☆お気に入り」というのは、「そのツイート内容が気に入ったといいう意思表示」という以上に、「そのツイートを見失わないように保管しておくブックマーク」というニュアンスがあった。

対して「♡いいね」のルーツはとこにあるのか。
「いいね」という言葉の機能はSNSでしばし見かけるものである。
それ以上前のルーツはわからないが、「いいね」という言葉の「いい+ね」の「ね」という部分が重要だと感じている。
「いい」でも「いいな」でもなく、「いいね」なのである。
「いいね」というのは「良いと思ったからだれに伝えるわけでもなくただつぶやいた」という言葉ではない。
「良いと思ったということを誰か相手に伝えて賛同さえ求める」ような言葉である。

すなわちこの「♡いいね」には「その投稿内容に好感を持ったことを伝える」というニュアンスがある。

……しかしfacebookでは親指を立てたgoodのマークに「いいね!」であり、mixiにおいてはモチーフはハートであるものの言葉は「イイネ!」であるという微妙な違いは何なのだろうか?(筆者が最後にmixiを確認したのが数年前なので記憶が曖昧なうえに現状は把握していないが)。



3. 想定される各ユーザーの反応
「☆お気に入り」と「♡いいね」の違いを論じたところで、項目1で分類した各ユーザーにとってこの変化だどのようなものだったのかを考える。

まず、①の告知を行うアカウントの場合、正直「☆お気に入り」だろうが「♡いいね」だろうが大差ないと思う。
「○月○日にイベントをやります!」が、「☆お気に入り」でブックマークされれば「あぁ、来てくれるから日時を忘れないようにしてくれているのだなぁ」と思うだろうし、「♡いいね」がされれば「このイベントに好感を持ってくれているんだなぁ」と思うだけで正直大差ない。

次に②のbotだが、これも同様に大差ない。

そして③のリア充
彼らはコミュニケーションツールとしてTwitterを用いているので、むしろ「♡いいね」のほうが望ましいだろう。
相手のツイートを見失わないようにするブックマークとしてよりも相手にその内容に好感を抱いたことを伝える方がコミュニケーションではある。
それがやつら、リア充という生物である。


最後に④Twitterを居住地とするTwitter住民(コミュ障)である。
彼らにとって、この変更は深刻な問題なのである。

彼らにとってTwitterは居住地である。
誰かとコミュニケーションのための誰かに伝えるためのツイートというよりも、だだ思ったことをツイートする、まさにつぶやきなのである。
「コミュニケーションツールとしてではなく、居住地として使いやすいSNSであること」これがTwitter住民がTwitterに居心地よく住むことができた要因であると考える。
ツイートはタイムライン上に時系列でシンプルに表示され、誰かに当てた言葉であるリプライもそれと同じく並んで表示される。他のユーザーとのつながりも「友達」ではなく「フォロー」という関係も一方的な関係でいることができ、相手に気を使うわずらわしさがない。

今回変更された「☆お気に入り」もこれと同じく「一方的でいることができる」ニュアンスがあった。
それはやはり「☆お気に入り」に「気に入ったことを伝える」というよりも「見失わないためのブックマーク」というニュアンスが強くあるからだ。
しかし新しい名称である「♡いいね」は明らかに相手に向かった言葉であり、「一方的でいられる」というニュアンスを喪失している。



4. 本変更のねらいの推測
上記のようなことが想定される本変更であるが、ねらいは一体何だったのか。
考えられる選択肢を以下に上げる。

①他のSNS(facebookなど)との同一化で使いやすくする
facebookユーザーの増える中、「いいね」のほうが親しみやすい、そういう時代だと判断したのだろうか?
逆にfacebookと同じになってしまえば、両方を利用するメリットはなくなり、ユーザーは減少すると思う。

②「いいね」をSNSの共通語に育て上げる
Twitterのためでも何でもなく「いいね」という言葉のため、という可能性である。
Twitterも「いいね」を導入すれば、SNSに統一感が出る。
「いいね」という言葉がSNS界を統べる存在になる。
……こんなに「いいね」に支援して何の得があるのかは全くわからない。

③横行するふぁぼ魔の犯行を阻止する
「☆お気に入り」の登録が多すぎてTwitterさんが困っているとかいないとかいう話を聞いたことがあるようなないような気がする。
つまり、今回の変更は「ふぁぼ」すなわち「☆お気に入り」の方が「♡いいね」より使いやすいというTwitter住民の心理を逆手に取った作戦だったという可能性である。
思えば、最近導入された「投票」という機能も「AならばRT、Bならばふぁぼ」みたいな手段で行われていた投票を、こちらの新機能で行わせることによって「☆お気に入り」の件数を減らすためのものだったのかもしれない。
しかし、使いやすかったものを使いにくくするというのは、Twitterさん的にもデメリットがあるのではないだろうか?



5. 変更後の実情
「☆お気に入り」が「♡いいね」に変更された直後、この変更にまつわる言葉がいくつもトレンド入りを果たした。
その後もしばらくは、自宅付近の交差点で職質に遭いながらもTwitterの様子を見ていたのである。

「星のままがいい!」
「ハートが送られてくるとか変な誤解する!」
「☆で手裏剣攻撃がもうできないのか……」
「タイムラインに流れないようにふぁぼってたからいいねだと使いづらい!」

と、最初は批判的だったのである。
しかし、しばらくすると、

「これはハートではない!源氏パイだ!!手裏剣の代わりに源氏パイを投げつける!!」


……なんということだ。

使いにくさゆえにデメリットが大きいのではないかという筆者の危惧を払い除け、Twitterユーザーたちは使いやすい解釈をしようとしている!!!
なんという適応能力なんだ!!!

しかし、いくら源氏パイ解釈を加えようと、深層的にTwitter住民にとっての「♡いいね」の使いづらさは残ると感じている。

もし今回の変更のねらいが「横行するふぁぼ魔の犯行を阻止する」ことにあり、このTwitter民の適応能力の高さにより、過度に不便さを与えることはないと、ここまで読んでいたのだとしたら……。

「まさかここまでとはな」と言い残して来葉峠で死んだふりできる。
それくらいの脅威の推理力だ。



6. 今後の変更の予測と期待
「☆お気に入り」から「♡いいね」になった本機能であるが、今後はどうなっていくのだろう。
筆者の推測で可能性が高いものほど前半に、同時にこうあって欲しいと思うものほど後半に挙げていく。

①このまま「♡いいね」が採用される
まず、一番起こりうる可能性が高い選択肢である。
この変更のねらいが何だったのか確定的なものはわからないが、何らかのねらいに反さない結果が得られた場合こうなる。

②しばらくして「☆お気に入り」に戻る
次に可能性が高いと考えるのがこれである。
これはTwitterユーザー(おそらくTwitterを居住地とする住民)が、「♡いいね」に猛烈に文句を言った場合にまず起こりうる。
しかし、今回、わざわざ変更に出たのなら何らかの動機となる問題や懸念があるはずであり、元に戻してしまえば全く解決にはならない。

③同一機能でマークのみが違う「☆お気に入り」と「♡いいね」ができる
これは「♡いいね」を気に入る人、全く気に入らず「☆お気に入り」に戻すことを強く望む人が両極端にいずれも多かったときに起こりうる。
しかし、機能が同じであれば、いずれかが廃れる。
現状では長年に渡り使われてきた「☆お気に入り」が勝ち、「♡いいね」が廃れるのでないかと考えれれる。
こうなっては選択肢②と同じである。

④機能が違う「♡いいね」と「☆お気に入り」
これが、筆者としては一番望む展開である。
すでに何度か述べたように「いいね」という言葉には「相手に好感を持ったことを伝える」というニュアンス、「お気に入り」には「ブックマークして見失わないようにしておく」というニュアンスがある。
そのニュアンスの違いに則り、「相手に通知されるが自分のところにリストアップされない『いいね』」、「相手に通知されないが自分のところにリストアップされる『お気に入り』」という2つの機能に分列してほしい。
今までの「☆お気に入り」と同じ機能を得たければ、この両方をチェックすればいい。

また、この場合、従来の「☆お気に入り」が2つに分裂するという形になるので、一方の名称は「♡いいね」でいいとしてもう一方が「☆お気に入り」というのは望ましくない。
機能からして「ブックマーク」がいいのかもしれないが、これは少し堅い印象がある。
「しるし」「マーク」「スター」などいろいろ考えたが、個人的には「ふせん」が一番しっくりきた。
「ふせん」ならばモチーフは四角形で「□ふせん」がいいだろうか。


ひとりのTwitter住民として、居住地として居心地のいいTwitterであり続けてくれることを願いたい。

ちなみに、もし「□ふせん」が実現するならば、こちらは平家パイでお願いします(笑)