ちさのの日常的思考

ふだん思ったこと何でも書いてるブログ。真面目なことから馬鹿らしいことまでやってます。「今回の記事も相変わらずだな!」くらいの気持ちで読んでくれると嬉しいです。

東尋坊に行ってきます

久方ぶりのブログ執筆になります。
みなさまお久しぶりです。自他ともに認める変人、ちさのでございます。

只今、ちさのはずっと行きたかったとある場所に向かっております。
なのでそこにたどり着く前に、なぜそこに行きたかったのか、何を見たいのか、思いの丈を語っておきたいと思います!!!


東尋坊」という観光地

まずは、私が今向かっている、“ずっと行きたかった場所”とはどこなのかという話からしましょう。そこは、タイトルにも書いてありますとおり「東尋坊」です。

東尋坊という場所が世間ではどの程度の知名度を持っているのは、実際のところ私はあまりよくわかってはいないのですが、とりあえずは福井県にある崖です。特有の地形の崖で、非常に珍しいらしく、国の天然記念物にも指定されているんだとか。私も実物はまだ見てないので写真で見る限りのことしか言えませんが、まぁ、綺麗なところです。

「あ、この人、あんまりよく知らないんだな……」と察しがついたと思うので、細かいことはwikipediaを参照してください!


wikipedia東尋坊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%B0%8B%E5%9D%8A


ここまでで「おぉ、すごく崖だな……」ということくらいは少なくともご理解頂けたかと思います。私も崖であること以上にこの崖について詳しいわけではないので、この記事を読む分にはそれくらいの理解があれば全然大丈夫です。

ただ、私がこの崖について崖であること以上にろくに知らないといえど、「崖だから崖に行きたい!!そこに崖があるから!!!(☆∀☆)」みたいな崖に対する無限大の執着がある訳ではありません(確かに刑事ドラマは好きだけど。無駄に崖にいる展開好きだけど。)。

私が東尋坊に行きたいと長年思いを募らせてきたのは、もっと別の側面ゆえに、です。


もうひとつの「東尋坊

私が東尋坊に行きたいと思っていた理由、崖である、その崖のつくりゆえに観光地になっている、そういったところとはまた別の側面「もう一つの東尋坊」。
前項の私の説明のふわっと感に不安を覚えて、wikipediaを参照なさった方はこの「もう一つの東尋坊」という言い回しも目にしたかと思います。東尋坊は「観光地」という側面を持つのと同時に、もう一つ持ち合わせてしまっている側面がある。陰の側面でありながら私が長いこと訪れたいと思い続けた要因となる側面。言ってしまえば、

自殺の名所

です。

ここでちょっと嫌な予感がしてしまった方もいると思うので早めに言っておきます。私は非常にポジティブな理由で東尋坊に向かっています。今この瞬間乗車中の高速バスも往復で帰りの便も予約しているし、Amazonで調子に乗って買ってしまったけど後悔は欠片もない商品がまだ届いていないし、何よりちさのはそこそこナルシストで鏡ずっと見てられる体質なうえ、将来は「ちさばあ」と呼ばれ近所の子どもに慕われるばあさんになりたいと思っているので、まだまだこの世を去る気はございません。


自殺の名所という自殺防止の最前線

ここからようやく、私が東尋坊を知ったきっかけの話になります。私が「自殺防止の最前線・東尋坊」を知ったのはTwitterで流れてきたこの動画です。


SAVING 10,000 - Winning a War on Suicide in Japan - 自殺者1万人を救う戦い - Japanese Documentary
https://www.youtube.com/watch?v=oo0SHLxc2d0


当時の私が見たツイートは見失ってしまって発掘できなかったんですが、「この映画はアイルランド人作者の日本のためになってほしいという強い思いから劇場公開ではなく動画で無料公開している」というような説明がそのツイートに添えられていたように思う。この動画を見ていると、自殺を選んでしまう現実、自殺に向かう人たちを止められていないという現状の問題、そしてなんとかしたいという強い想いが伝わってきます。

この映画の、51分56秒ある全編のうち、本当に終盤にあたる45分48秒あたりから東尋坊の話があります。

ちさのはもともと人の内面やメンタリティに興味があって、特に悩んだり迷ったり悲しんだりするネガティブな感情をなんとか解決していく方向に関心がありました。そんな中でこの動画を見ていくにつれて、「わたしもなにかしたい」という想いが募ってゆきました。そして終盤、自殺防止の最前線として出てきた東尋坊に、私はあの日、心をうたれました。


「だれも死にたくないんですって」


動画の中にあるこの言葉で、あの日の私はぼろぼろ涙を流したのを覚えています。

この言葉は、東尋坊で自殺防止活動をしている茂幸雄さんの言葉です。茂幸雄さんは元警察官で、警察の仕事として東尋坊から自殺遺体の引き上げを行い、その現実を目の当たりにする中で、なぜ自殺を止められないのかと思い、この活動を始めたといいます。

自殺を考えて東尋坊を訪れる方は、崖の近くで日が暮れるまでずっとひとりで待っているそうです。そうして、誰かが話しかけてくれることをどこかで期待して、待っている。死にたい、死のうと思っていた、でも心のどこかで誰かに話かけてほしいと思っている、「どうしたの?」と優しい言葉をかけてほしいと思っている。そうして、誰かに止めてほしいと思っている。それはつまり、ホントは、死にたくない。そんな方たちに声をかけていく活動をしているといいます。

動画を見てない方にもこの想いが伝わるように情緒的に演出して書かせていただきましたが、こんな想いがこもった「だれも死にたくないんですって」という言葉とその口調の暖かさに涙が出たのです。


「現場が見たい……。」

これこそ私が東尋坊を訪れたい理由です。

茂幸雄さんたちの活動の現場を見たい。この地の雰囲気を肌で感じたい。この地にあるであろう暖かさが訪れる人の目にどう映るのか、その場所を歩いてみたい。

「自殺の名所だからそこを見に行く。」私の今やろうとしていることはそうであることには間違いない。けれど決して茶化しに行きたい訳ではないということを主張しておきたい。
もし仮に、今日その命を終わらせようとそこを訪れた人に出会い、それに気づいたなら、迷わず声をかけたい。もちろん好奇心のためでなくて、ひとに幸せに生きてほしいと思うひとりの人間として誠実に、なにかしたい、と思うから。


後日、また行ってきました報告の記事も書くつもりなので、興味のある方はそちらもよろしくお願いします。
この流れなのでしんみりした感じになっていますが、せっかく福井まで行くので観光としてもちゃんと楽しんでこようと思っています!


それではここまでお付き合いありがとうございました!!!